おいしいお茶でお客をもてなすことがお茶の根本

樹木希林さんがお茶の先生を演じた映画『日々是好日』の中で、初心者だった黒木華さん演じる主人公と従兄弟役の多部未華子さんが、お茶のお稽古を始め、挫折しそうになりながらも、主人公にとって生きる支えになっていく様子が描かれていました。最初はぎこちなかった所作がどんどん美しくなっていくところも見どころの一つ。
この映画を見て、お茶を始めようという方が増えたそうです。

お茶が点てられることは憧れですが、点前が難しそうに見えるのも事実です。抹茶にお湯を注いで茶筅でかき回せばお茶は点ちますが、どんな点て方でもいいわけではありません。その意味を知ることも大切なことです。それを表千家十四代家元が教えてくださるのがこの本です。平成13年に発売し、多くの復刊をのぞむ声におされ、この度の新装版版発売にいたりました。

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お茶は、おいしいお茶で客をもてなすこと。その気持とお点前との関係がが以下のように書かれています。
お茶を点てる動作(所作)が美しく、優美であったら、そしてお茶を点てるために使う道具が、道具どうしが見た目にも最も美しい調和のとれた場所に置かれていたら、客の目を十分に楽しませることができます。(中略)修練を重ねた人の、お茶を点てるときの姿、茶筅を振る速度、調子、そうしたものがすべてととのって出されたお茶は、見た目にもおいしそうだなと思わせる、一つの演出にもなります(本文より)。
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お茶の世界の楽しみ方がわかる

お茶には茶の湯の道具、掛け軸、お花、お茶、所作、着物、歴史などの美意識をみがき、楽しみ、学べる、奥深い世界があります。初めてお茶の世界に足を踏み入れようとするときにも、この本が水先案内人になってくれます。たとえば茶碗の選び方についてはこのように書かれています。

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高価な道具がなければできないということは、けっしてありません。おりあるごとに道具やをのぞいたり、道具屋に入りにくかったらデパートの茶道具売り場を見たりしていると、意外に安くて、けっこう稽古や来客のときに使える道具を見つけることができるものです。ただし、新物屋(新しい茶道具屋)で買ってくる同じ安いものでも、せめて自分の好きなものをえらぶとか、理想をいえば、どこか地方へでも行ったときにかいもとめたものとか、そんな気分がほしいと思います。そうすればおきゃくさまにも自分の思いを話すことができるし、客との会話もはずみ、それこそお茶の精神に叶うことになるのです(本文より)。
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もっとお茶の世界について知りたいという方、必読です。

目次

口絵 而妙斎好みの道具
一章 茶の湯とは
二章 点前について
三章 稽古百景
四章 お茶の話いろいろ
五章 つれづれに思う
六章 利休の道具と茶の湯の四季

著者プロフィール

而妙斎 千 宗左(じみょうさい せん そうさ)
号は而妙斎。表千家不審菴十四代家元。昭和十三年五月六日、十三代即中斎の長男として生まれる。幼名は岑一郎。中央大学文学部を卒業。昭和四十二年十一月、大徳寺方谷浩明老師から而妙斎の斎号を受け、宗員を名乗る。昭和五十五年二月、即中斎の逝去に伴い、家元十四代宗左を襲名。平成十二年十一月、紫綬褒章を受賞。平成三十年二月、長男猶有斎に代を譲り隠居、宗旦を名乗る。

書誌情報

 (8987)

『新装 茶の湯随想』
(本体2500円+税)
タイトル:新装 茶の湯随想
著者:而妙斎 千 宗左
定価:本体2500円+税
仕様:A5判、250ページ
発売:2020年11月30日
ISBN:978-4-07-445877-6

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